2018.05.31 UP
子供は七つまでは神のうち・・・
最近は、読書が退屈にならないように時代物と現代物を交互に読んでいる。この話は最近読んだ時代物の本に出てきたある言葉の話です。
その言葉は”子供は七つまでは神のうち”というものです。最新の医療の中で暮らす現代の日本の人々には?であろうが、日本でも一世紀前くらいまで、厳密に言えば近代化される前の日本では、この言葉は当たり前の事柄であった。現代社会でも貧困にあえぐ国々では、この言葉は現実のものである。とりあえず先進国と言われている日本では今はあまり聞かない言葉かもしれない。
日本で今でも11月15日に行われている「七五三」。子供の成長を祝うこの行事は、昔は重要な意味を持っていました。現在のように医療が発達していなかった時代、お産はつねに死の危険を伴うものでした。難産で亡くなる女性も多く、やっと生まれてきた子どもたちも死亡率が高く、幼いうちに子をなくしてしまう親が多かったそうです。”子供は七つまでは神のうち”と言われ、七歳までは神様から預かった子供であるという意味です。七歳まで無事に生きてきた子供の成長を祝い、氏神様に感謝のお参りをするのが「七五三」です。これを契機に子供は現世に生まれ変わり、自分の足で生きていくことになります。
「七五三」について
三歳・・・・髪置きの祝い(男女) 男子は剃っていた髪を伸ばし始め、女子はおかっぱ頭から結髪に改める。
五歳・・・・袴着の祝い(男子) 男の子に初めて袴を着せる。
七歳・・・・帯解(女子) 帯の代わりに身につけていた紐を取り、初めて帯を結ぶ。
これが「七五三」の原型ですが武家社会で行われていた慣習で、一般庶民のものではありません。またこの慣習は関東地方の慣習で、関西では一般的ではありません、関西では数え十三歳の「十三参り」がこれに代わるものでした。現代では形式化されていますが、親が子供の健やかな成長を願う行事として現代に伝わっています。
”子供は七つまでは神のうち”、今の日本では、この言葉は死語になりました。でも現在世界中で一年間で五歳未満で亡くなる子供が660万人近くいることを知っていますか?これでも各国や民間団体が取り組んできた努力があっての数字なのです。1990年には倍の1260万人の子供が五歳になれずに亡くなっていました。現代社会では貧困や病気だけでなく数々の紛争や戦争も大きな原因となっているそうです。本当に戦争を止めれない人類はアホなんだろうか???